Bob’s your uncle

競馬歴7年目 (牡30・未勝利) ウイン5年目会員・東サラ4年目会員 出資馬一覧→ http://umadb.com/s/rQRvc3L1NrJ 競馬以外にアイドル成分も大目。倉島杏実さんを応援しています。

1年経つ、ということ。

2020年2月23日 (日) 天候晴れ 気温15℃。第37回フェブラリーS当日。私は大学時代の仲間と一緒に東京競馬場にいた。

 

そもそも、競馬場に初めて赴いたのもゴールドドリームの勝ったフェブラリーS当日。春の気配を少し感じつつ、寒空の東京競馬場から富士山を望み、声援を送る---。そんな一日がたまらなく楽しくて、初めて行って以来毎年通った。

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昨年の一日もそんな恒例行事の一日だった。今となっては考えられないことだが、当時のコロナウイルス感染者は約10名/日 程度。あくまで豪華客船で起きたこと、くらいの認識だっただろうか。

 

そんな曖昧な記憶はさておき、メインのフェブラリーSのゴール前が鮮明に記憶されている。私の本命はワンダーリーデル単勝28.0倍 8番人気で人気を落としていたが、どうも週中から気になってついには本命にしていた。経験上、この手の本命は大抵空振りに終わるのだが、ワンダーリーデルは展開も向き自慢の差し脚を伸ばす。私が普段から良く居座る残り200m付近では3番手争い。自然と「差せ!!!!!」と叫んでいた。

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結果はさらに後ろから来たサンライズノヴァに差され4着。いわゆる「それ4」。一緒にワンダーリーデルを買っていた連れと客席に沈んだのは言うまでもない。そもそもこの日は鞍上の横山典弘Jの誕生日。少しくらいオマケしてくれたって良かったじゃないか、と願いもしないことを言い合っていた。

 

でも、少し歪んでいるかもしれないが、これが競馬をしていて一番楽しい瞬間かもしれない。自信の本命馬があと少しの所で届かず馬券を外す、友人とレースを真剣に振り返ったり、ちょっと茶化してみたり。常日頃から競馬場に行くときは必ず誰かを誘っていたのは、そんなひと時を楽しみにしていたからだ。

 

帰り道、一枚の写真を撮った。特に習慣にしているわけではない。みんなでこの後飲みに行くか、と移動する駅の手前でふと撮りたくなった。今になって考えれば最後の通常開催日だったわけで、どこか感じる所があったのかと不思議に思う。

 

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さて、あれから一年が過ぎた。この一年で身の回りは一変した。

 

あまりこの言葉は好きではないが、いわゆる「コロナ」というやつだ。今、文字変換するのに非常に苦労をしたが、そのくらい馴染みのなかった言葉である。

 

幸い、競馬開催は一日も欠けることなく続けてこれたが、当たり前だった大歓声は今日まで聞こえてきていない。そんな中で毎年通ってきたフェブラリーSは、無観客競馬となってしまった。

 

止むを得ず、今年は在宅観戦。せっかく今年も天候に恵まれたというのに。きっと素晴らしい富士山が望めたに違いない。

そして出馬表を眺める。巡り巡って今年も◎ワンダーリーデル。大混戦との下馬評だった今年。どうせ外れるなら悔いのない本命を打とう。今年も人気は無かったが、昨年のリベンジだと意気込んだ。

 

静寂の中ファンファーレが鳴り響き、続々とゲートイン、スタート。ワンダーリーデルは往々にして後方に構えるが、今回は初ブリンカー。中団インに潜り込む。横山典弘Jのお家芸、イン収納を堪能。直線を向く。

手応え良くカフェファラオが抜け出す所に必死に食い下がる。残り200、さながら昨年と同じ状況になった。「差せ!!!」と室内なので「!」×3つくらい落としたトーンで声援を送る。ゴール手前、レッドルゼルが迫り去年の悪夢が過ぎったが、3着。一年前のハナ差を、今年は見事覆して見せた。今年で8歳。頭が下がる思いだ。

 

さて、めでたく馬券は的中したのであるが、1年前のゴール前を思い出して感傷に浸った。仲間とは連絡は取っているのだが、一緒に喜び合えたらもっと楽しかっただろうと。この後はみんなに奢って、飲みに行ってたんだろうなと。

 

「リモート」な世の中になって1年が経ち、想像も出来なかった世の中が当たり前になり、日々暮らしている。

 

その中で変わらず懸命に走ったワンダーリーデル号と、変わってしまった世の中のコントラストに浸る週末であった。来年はどんなフェブラリーSを迎えるのだろうか? 昔と変わらず、富士山を望んで声援が送れることを願ってやまない。